ヴィクトリアマイル〜名采配とその裏〜
格上の相手に打ち勝つ
これは穴党の永遠のテーマでもある
格上と善戦するために差を埋めるには
「采配」が大切である。
ひと昔前にも「采配」が勝負を決した戦いがあった
人はその采配を
「木内マジック」と呼んでいた
木内幸男氏は茨城県の常総学院の野球部監督
茨城の強豪といえば常総学院と言われるほどの名門校で
木内氏は監督を務めていた
木内マジックと言われるようになったのは
木内監督の奇策が混ぜられた戦術から。
頭脳戦に持ち込んで相手が格上だろうと隙をついて勝利をもぎ取る。
これが木内監督のやり方だ。
一番印象に残っているのは
2003年 夏の甲子園決勝
常総学院vs東北高校の決勝戦
木内監督はこの年をもって勇退
そして常総学院の初制覇がかかる一戦であった。
常総学院の相手は大会前から優勝候補であった東北高校
相手のエースは後のメジャーリーガーとなり世界で活躍するダルビッシュ有
150㎞/hの高校生離れした怪物投手の攻略が
常総学院勝利に不可欠となった。
まずは木内監督は試合前、選手たちにこう話していた
「ダルビッシュは将来日本一の投手になる逸材だ」
「こんな幸せな機会は滅多にない。」
「打てば将来自慢の勲章になるぞ」
木内監督は緊張や力みなどで委縮してしまうと勝利への可能性が絶たれてしまう
1%でも勝利への可能性を高めておく必要があり
その為に選手たちが気負いしないようリラックスして
良い精神状態で試合に臨めるようにした
そしてまた、その裏ではもう一つ木内マジックが始動していた
「ダルビッシュのコンディション不良」
これに木内監督は突破口として目をつけた。
実はダルビッシュ
準々決勝にて右足をアクシデントで痛めていた
次の準決勝は登板回避していたほどであり
怪我をしてしまったダルビッシュであるが
「決勝の舞台で常総学院を抑えられるのは自分しかいない」と
決勝の登板を志願。
インタビューでも完投しますと気合十分に答え
怪我はしているが投げられないほどではないという状態で決勝を迎えていた。
この「隙」を木内監督は見逃さなかった
「完投します」
ダルビッシュが放った言葉に木内監督は
「体調万全でないのなら必ず力を抜くイニングが生まれるはず」と詠んだ
またダルビッシュは2年生であり来年があるなら
尚更、将来のことを考え身体を壊してでも投げることはないと判断。
最終回まで投げ切る完投は体力や体への負担が大きい
投げ切るのであれば
全力投球ではなく7~8割の力で投げてくる回が必ずあると予想した
「必ず抜いてくるイニングが来る」
木内監督は、ここを狙い打ちすることに決めていたのだ。
いざ、試合を迎えると超高校級のダルビッシュの全力投球は正直打てそうにもない
抜いてくるタイミングに備えて
選手たちには球筋を見極め観察してくるようにだけ伝えていた
そして時はやって来るのである。
2点リードされた4回の表
ダルビッシュは完投に向けて中盤である4回表に
木内監督の思惑通り全力投球を封印するのである
すると常総学院の打線がつながり2点を返し同点に。
ダルビッシュのような相手には確実に点を取らなくてはならないので
バントで確実に得点圏にランナーを進めるようなところも
バントではなくヒッティングの指示
中途半端な畳みかけは不要。
一気に勝負を決めに行く姿勢がダルビッシュをさらに追い込み
2点追加の4-2
逆転に成功する。
その後、常総学院はピンチを迎えるも凌ぎ切り
ダルビッシュ率いる東北高校を下した
木内監督の監督生活最後の試合を勝利で終え花道を飾った。
野球に対する直接的な技術とは別に
知識を足すことにより展開を作り
絶対的エースを打ち崩し勝利をつかみ取った
相手の隙をつき
こちらの強みを最大限に生かすことで
格上相手にも好勝負することができるのだ
まさに奇策
不可能を可能にする名将のお話でした。
今回のヴィクトリアマイル
過去には三連単2000万円の特大馬券が出た荒れるレースで有名
この女の闘いにアーモンドアイが参戦し
1強ムード全開
オッズも相変わらずの1倍台となっている
まさにアーモンドアイが東北高校のダルビッシュのような位置づけ
誰しもがアーモンドアイの勝利を確信する中
木内マジックのように奇策を打ち立て
天地ひっくり返るようなレースにしようと
とある陣営が企んでいる。
今回の推奨馬は👓ビーチサンバ
ようやく戻ってきた東京の舞台
僕のメモには「府中待ち」と記してあり
窮屈な競馬は苦手であり
のびのびと走れることが好走条件である
出来れば外枠を引き
じっくりと脚を溜め
最後の直線を32~33秒台前半で駆け抜ける
これを狙っていたがゆえ
枠順が発表されたときに純白の1枠帽子を引き当てた時は
肩を落とした
「あぁ、これは本命を変えなくてはならないな」
なんて思っていたが
(いや…ちょっと待てお?)
僕は踏みとどまる。
一般論として
内枠×差し=「福永祐一前が壁」
こんな方程式が成り立つ
今日もレッドアンシェルを抑え込んで
内で包まれるような騎乗
川上アキラもカチキレてるぞ
今日の福永を見ていた人らは
「ビーチサンバも前が壁の餌食になるだろう」
こう思っているだろう
だがしかし福永祐一とビーチサンバのコンビ
このコンビには過去に一度「奇策」を打った過去がある
その奇策こそが
「逃げ・先行策」
時は一年前の秋華賞
コントラチェックの好きにはさせないぞと
珍しく積極策に出た
結果として5着でこの秋華賞を終えるのだが
内容としては稍重の馬場で前半1000mを58.3秒という
コントラチェックつぶしペースを率先して演出した
ビーチサンバは5着という結果は褒められていいもの。
思い返してみれば福永祐一という男は
「絶対的有力馬」に対し積極策を打ってくる男
先ほど記した秋華賞もだが
キタサンブラックを相手にした有馬記念も
シャケトラで先行し4コーナーからキタサンブラックを
飲み込んでいくような積極騎乗を見せていた。
やらないだけでやるときはやる男なのである
レースにおける作戦を立てるのは
調教師やジョッキーそして馬主の意向が反映されたりする
ビーチサンバの馬主は金子真人氏
金子真人HDは以前にも語ったが
使い分けをせずに強い馬同士を出走させて
多頭出ししてでも「良い勝負」にこだわる馬主
そんな金子氏はシャケトラの馬主でもあった。
「つぶれてもいいから勝ちに行け」と
キタサンブラックに真正面から立ち向かう奇策をとった
了承した張本人なのである。
今回、アーモンドアイという絶対的有力馬がいる
しかし
「福永祐一前が壁」という方程式も
絶対的有力馬の存在×金子真人×福永祐一
この式が成立したときに出る答えこそが
「福永祐一の積極騎乗/奇策」であり
過去にもビーチサンバで逃げの手を打って
好内容のレース運びを実現したコンビなら
尚更「奇策」というカードを切ってくると思われる
これが木内マジックならぬ
金子マジックなのである
アーモンドアイの攻略法はこの2つ
・追走困難のペースでバテさせる
・アーモンドアイより前の位置から末脚を発揮
おそらくアーモンドアイは外枠により内に入り込むことは困難
外を回した分のロス
そして内が伸びる馬場で直線では外から追い込む競馬
これらがハンデとなり差し損ねの可能性も出てくるだろう
対するビーチサンバは
広い東京コース替わり
直線が長く末脚を生かせる舞台
金子×福永マジックによる先行策
内前有利のミナレット馬場でチャンスとなった内枠
逃げたらコントラチェックすらも潰れるしぶとい先行力
チャンス要素がたっぷり
8番人気の伏兵がヴィクトリアマイルの主役となる
かつては「牝馬戦の福永」といわれていた舞台
ここはビーチサンバを男らしくエスコートしてくれ。
そしてワグネリアンのダービー制覇の時のように福永、金子真人氏、友道先生の3ショットを見れると願っている。
推奨馬は👓ビーチサンバ
指数ピック馬
ダノンファンタジー
セラピア
アルーシャ
シャドウディーヴァ
コントラチェック
三連単2000万馬券のときもミナレットの先行策
盲点は前!!
指数馬の先行力は光るものがあり
波乱の立役者となる
ダノンファンタジーは7番人気
信じられないくらいの人気落ち
左回りが嫌われているのか知らないが
前走デブ仕上げで叩いて今回2戦目の上積み期待
左回りのオークスの敗因は明らかな距離
ここでの距離短縮はプラス
セラピアはしぶといペースでも垂れることなく追走可能
前走はノーステッキで勝ち上がり
スピードも求められる今の馬場にもマッチする
フローラSで東京大敗歴があるが道中折り合いつかずで競馬になっていなかった。
精神面の成長も見られているし、かつては1番人気を背負った素質馬
ここで明らかな成長がみられている。
アルーシャは高速馬場での競馬はピカイチ
今日の雨がどれだけ残るかにもよるが
東京競馬場は雨さえ降らなければ良馬場
雨の中でのレースもスピードを要する馬場だっただけに
馬場が乾いたら高速馬場となる
かつてはルメールやマーフィーが乗っていた馬で
鞍上が変われば15番人気。買い時である。
シャドウディーヴァは東京マイルがベスト
岩田が乗れないのが痛いが
代打の神様キャラになりつつある池添謙一の一発に期待
コントラチェックは外枠から番手追走になりそう
ここ10年の8枠成績はミナレットの3着以外
全馬着外という不振枠
滑り込みならあり得なくもないので
10番人気なら抑えて損はない
あとはアーモンドアイに加えて
昨年覇者のノームコア
プリモシーン
ラブズオンリーユー
スカーレットカラーは岩田騎手が
絶対にヴィクトリアマイルに連れて行こう
必ず勝てるといった激推し馬
主戦騎手が乗れないのは痛恨だが
追えるバシシューなら勝算あり。
メジェールスーも1戦だけ指数が引っ掛かったので拾っておく。
買い目
👓ビーチサンバ 単勝
セラピア・アルーシャ 単勝
3連複